平園クリニック

平塚市岡崎の内科・婦人科・健診

 

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絵のある待合室 第13室

 

絵のある待合室121


 澤部清五郎 「座せるシュザンヌ」30号 1912 滞欧作 

具眼の雄、星野桂三氏(京都星野画廊)が、発掘顕彰してくれた洋画家である。この作品は澤部が28歳の留学時代のもので、帰国後の滞欧作展にも出品されている幻の代表作である。また、目黒区美術館の山田氏の調査にによって題名は「モデル 座セルシュザンヌ」であることが判明したのだった。個展出品作中最大の30号は3点あったが、うちの1点は行方不明、残り2点のうち1点の「ハドソン河」が千葉県立美術館に収蔵されている。この作品は新発見となった。関西美術院の盟友である安井や梅原に匹敵する画力がありながら、生活の為とはいえ川島織物のトップデザイナーとなったが、東京に出て専業画家になれなかったことは自ら語るように無念であったろう。皮肉にも恩師浅井忠と同じ三足の草鞋を履くこととなった。この格調高いあ裸婦像は誰が見ても圧倒される名品である。京都と目黒で回顧展が開催されたが、更なる顕彰が必要とされる画家のひとりである。

 

絵のある待合室122


 

 吉田三郎 「舞人像」 大正15年 41㎝ 共箱

金沢を代表する彫刻家である。大正期の作品は貴重である。学芸員諸氏も初見のもので資料的にも貴重な作品だと言う。日本舞踊をしていた時の長女に似ているようだ。

 

絵のある待合室123


 

  吉田白嶺 「若衆」 1927 40㎝ 共箱  中村直人彫刻の時代展に出品

吉田白嶺の若衆である。中村直人の師匠でもある。直人も同じモチーフを彫っている。白嶺の人物像の素晴らしさはその無駄のないモダンな彫りとシルエットの美しさにあると思っている。

 

絵のある待合室124


 石井光楓 「セーヌ風景」 12号 1931年頃 滞欧作

千葉出身のこの作家を知る人はまずいないだろう。しかし、である。大久保 守氏(元千葉県立美術館学芸員)が、光楓の評伝「今よみがえる洋画家の軌跡 夢は大海原を越えて」2001三好企画を出版してくれていた。感謝である。フランスでは藤田と並び称された記録もあり、彼の生き様は現在忘れ去られた多くの力ある洋画家たちの軌跡でもあろう。この評伝という労作を書いてくれた大久保氏こそ、地方美術館学芸員の鏡である。機会があればお会いしたい。

 

絵のある待合室125


 

原 精一 「裸婦」 1935 3号 日動画廊シール

言わずと知れた原の初期作である。やっぱり初期の原はイイ。

 

絵のある待合室126


江口 週 「木片の構成 Ⅵ」 1984 45X45㎝ 

1984個展(愛宕山画廊)、1988今日の作家たち(神奈川県近代美術館)、1991個展(東京画廊)に出品されているものである。現代を代表する木彫家のひとりである。さすがに大きな作品は置けないので、この作品で江口芸術の片鱗でも感じられれば楽しい。

 

絵のある待合室127


倉田白羊 「初冬」 2号 1935 板油彩

文句なしの倉田白羊の風景である。いかにも冬の初めといった感じが出ている。他の作家には真似できないかもしれない。公立美術館に寄託中である。

 

絵のある待合室128

                                                  
                                                   北村四海 「岩長比売命」 1915 石膏 40x27ⅹ25㎝
                                      
 新発見である。善光寺近くの旧家から出てきたものだという。この大理石像が資料写真に残っていた。旧知の北村四海研究の第一人者である迫内氏によれば、この作品は何点か制作されており、資料によると大正3の年第2回国民美術協会展、同年の恤兵美術展、大正4年のパナマ万博の出品歴がある。この石膏像には大正4年4月の刻サインと年紀があるのでパナマ万博の際に制作した大理石彫刻の石膏と考えてもよいだろう。いずれにしても四海の制作過程を検証するのに貴重な資料的作品である。私は埋没・忘却の物故彫刻家の代表作をコツコツ集めてきたが、さすがに四海の代表作となるとその巡り会いは少ない。それでも今まで何とか、世に問う事のできる作品「妙音」「イヴ」の2点を入手できた。近い将来、北村四海展の開催を夢見ている。迫内さん!あなたが頼りです。これからも四海の優品があれば後世のためにもゲットして行きたい。 
 

  

 

絵のある待合室129


鈴木保徳 「工場の裏」 1958 12号

多摩美教授時代の佳品である。鈴木らしさの出ているもので環境破壊に対するメッセージが感じられる。鈴木の黄色は切ない。私は鈴木イエローが好きである。「横浜洋画の父」とも呼ばれている鈴木だが、孤高を通したためその画業は正当に評価されているとは言い難い。再評価が必要な作家のひとりである。

 

絵のある待合室130


和田金剛 「矢の根五郎」 33㎝ 共箱

澤田政廣の愛弟子のひとりである。歌舞伎十八番の一つである「矢の根」、曽我五郎が矢の根を研いでいる名場面である。抑制の効いた彩色が迫力を増す。