平園クリニック

平塚市岡崎の内科・婦人科・健診

 

トップページ»  絵のある待合室 第30室

絵のある待合室 第30室

 

絵のある待合室291



 長谷川栄作 「婦人胸像」 大正期 47㎝ 共箱

知人から「栄作の木彫婦人胸像が毎日オークションに出ていたよ」と聞き、気に掛けていた時にネットに出てきた。これも縁と少し頑張って落札した。再評価が必要な彫刻家は多いが、栄作はその最有力候補の1人であろう。日本彫刻会展に栄作作品2点を出品させて頂いたが、これで栄作作品は4点(木彫3点、ブロンズ1点)となった。Sさん栄作の展覧会よろしくお願いします。

 

絵のある待合室292



 
  荒井貞雄 「石楠花浮彫飾板」 32x41x3㎝ 

名門アライ工芸の故荒井貞雄氏の作品である。農民美術は日本の伝統工芸美術の金字塔である。その伝統と作品は全国に根付いている。素晴らしいことである。農民美術作家は個々としてはあまり知られていないが、その精神と技術は尊敬に値する。荒井氏も農美に多大な貢献をされ、多くの後継者を育てられた。この作品は農美の創始者である山本鼎が提唱している「素朴、堅牢」を具現化している。

 

絵のある待合室293


  武捨一久(1911~1974) 「信濃の子供」 57㎝ 展覧会出品作?

農民美術の中でも異彩を放つ作家である。中村直人、初代中村実に師事し、真田町傍陽で活躍した。この作品は台裏に墨で「信濃の子供」と書いてある。迷いのない大小さまざまな鑿跡は見ても触っても壮観である。直人の初期作を所蔵しているが、雰囲気が似ている。武捨の代表作としてもいいだろう。ご子息の亮一氏も農民美術作家として活躍していると言う。今度見て頂こう。

 

絵のある待合室294



                   農民美術 木片人形5点 13㎝~3.5㎝

 

絵のある待合室295



                           アイヌ人形  6㎝ 4㎝

 

絵のある待合室296


 
  
                          宇治茶摘み人形 6.5㎝ 

 

絵のある待合室297



  佐藤朝山 「影」 大正13年 21X21㎝ 和紙木版

佐藤朝山の滞欧作で唯一現存が確認されている幻の作品である。新発見である。図録の年譜には、大正13年(1924):7月22日 日本美術院から呼ばれフランスから帰国する。フランスで制作した作品は何も持ち帰らず、「眼」「影」「憂」「エトラスカン婦人」「エジプト彫刻破片」などの木版画と素描などがあるだけである・・・・とある。如何にも朝山らしい。えびな書店のカタログに掲載されていた時には驚いた。朝山に詳しい藤井明氏に報告したところ喜んでくれた。今度は朝山の木彫作品と行きたいところだが、いろいろな意味で極めて困難だと思われる。でも可能性はゼロではない。

 

絵のある待合室298



  大島哲以 「天使のロンド」 10号 1970 

長女が哲以ファンであり、大学の課題レポートにも書いているくらいだ。今までに2点プレゼントして来た。哲以作品が市場に出ることは少ないが、その少ないチャンスの中から優品をゲットすることが楽しみでもある。コアな哲以ファンは確実に存在するので、このような代表作を入手できることは幸運であった。しかしながら彼の絵画哲学と色は魅力的だ。哲以ブルー、哲以グリーン、哲以レッド・・・・

 

絵のある待合室299



         武井直也 「F先生像」 1918年(大正7年)石膏着彩 第5回院展初出品初入選作

武井直也のデビュー作である。東京美術学校在学中の作品であるが出来は見事である。石膏なのに、よくぞイイ状態で残っていたものだ。また1957年 東京国立近代美術館で開催された「4人の作家展 武井直也・三岸好太郎・小林徳三郎・平福百穂」にも出品されている。私が初めて買った彫刻ブロンズが武井直也であり、ようやくこれで4点目の蒐集となった。直也の作品はどれも私の壺にハマるのだ。ギャラリー川船さんありがとう。

絵のある待合室300



佐藤朝山 「すごも里鶴」 香合  10.5x4.6x4.3cm  清蔵時代

記念すべき300点目が長い間追い求めて来た佐藤朝山の作品となった。小平市田中彫刻美術館で開催された朝山展図録には「鶴の香合」が2点掲載されている。平櫛田中旧蔵(彩色あり)と長谷川コレクション(彩色なし)でいずれも朝山時代である。本作は清蔵時代であるが長谷川コレクションのものと瓜二つである。箱(二重箱)で「寿 すごも里鶴」とあり、像裏には折りたたんだ鶴の足が刻出され、その間に清蔵と刻銘してある。さっそく福島県美の増渕学芸員にお尋ねしたところ、以下のような回答があった・・・「清蔵」銘の巣籠り鶴の香合を以前にも見たことがあります。それは彩色で、同じ大きさでした。やはり「寿」「鶴 すごも里」と書かれた二重箱でした。戦中戦後は材料もなく助手もなく、あまり木彫は作れなかったようですが、ほそぼそと彫って世話になった人のお祝いごとに贈ったのかな、などと想像します・・・さすが増渕さんである。納得である。朝山の作品は極めて少ないが、更なる巡り会いに期待したい。